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コラム詳細

「円」それとも「¥」? 価格表示を使い分けていますか?

「脳科学マーケティング100の心理技術」という本からの出題です。アメリカのコーネル大学のある研究チームは、レストランのメニュー表に用いられる価格表示に注目しました。下記のように価格表示の違うメニュー表の中で、一番多く注文が取れたのはどれでしょうか?

① ドル記号をつけた数字で表示:¥1,200
② ドル記号や小数点はつけない数字表示:1200
③ 文字で説明:千二百円


正解は、ドル記号や小数点はつけない②だったそうです。これは、商品を注文する前に「お金」に関するイメージを持たせた場合とそうでない場合で、差が出るかどうかを確かめる実験でした。その結果、①や③のように「円」や「¥」の価格表示は「お金」をイメージさせるため、注文する際に心理的な影響が出たということです。

それならば、価格を記載する時は通貨記号を使わない方が売れやすくなるのかというと、それは違うと思います。「円」や「¥」の通貨記号を使って、「お金」であることを明確に認識させた方がよい場合もあります。例えば、お値打ち価格であることをアピールしたい時は、表示価格は間違いなく「お金」であること、そして「お得感」を演出するために敢えて「円」や「¥」を使います。反対に、接待利用やデート利用の時など、相手に「お金」をイメージさせたくない、非日常を味わっていただきたいシーンでは、数字のみの表示にしています。通貨記号を付けるか付けないかだけで売上に影響が出るとは、なんとも怖い話ですね。